トイレ掃除と開運

皆さんは、毎日トイレの掃除をしますか?

トイレをきれいにしていると運が開ける、願いが叶う、という考え方があります。映画監督、お笑いタレントの北野武氏が成功の秘訣はトイレ掃除だったかもしれないと言ってから、この考え方が広まっています。会社経営者にも、この考え方を信じて、トイレ掃除を日課にしている方々がいます。日本人はトイレ掃除に、特別の意味づけをしているように思えます。

 

トイレ掃除の効用を、心理学の視点から考えてみたいと思います。

 

失敗したことについてくよくよと考えているとき、どんな言葉を心の中で唱えているでしょうか。「~すべきだった」「なぜ~をしなかったのだろう」というような言葉ではないでしょうか。こうした言葉を唱えていると、どんな気持ちになるかを想像してください。自分を責める気持ちが強くなり、次第にみじめな気持ちになることが多いのではないでしょうか。失敗したそのときで、時間が止まり、思考や行動も止まり、次の行動に移れなくなることが多いと思います。

 

そんなとき、日課のトイレ掃除を始めると、トイレ掃除に注意が向き、一瞬、失敗のことを忘れることができます。トイレがきれいになることで、少しの満足も得られます。何か違うことをすることで、気持ちが変わる経験を皆さんもお持ちでしょう。トイレ掃除をすることで気持ちが変わる、という効用が一つあります。

 

トイレ掃除をしていると運が開ける、願いが叶う、成功する、という自己暗示の効果は大きいです。失敗があったとしても、「トイレ掃除をしているから大丈夫だ」という暗示がすぐに気持ちをリセットしてくれ、次の行動を起こすことができます。この「大丈夫だ」という感覚もトイレ掃除の効用であると思います。

 

トイレ掃除の効用として、気持ちの切り替えと大丈夫だいう感覚を挙げました。小さな失敗があっても、この2つがあることで、目標に向かって歩み続けることができます。その歩みの積み重ねが、願いを叶えることにつながる、と私は考えます。

 

気持ちを切り替える方法をもっていることは、願いを叶える大きな力になります。

 

©生田 かおる